Brad Mehldau
13 February 2006
Barbican Hall, London
The uncompromising trio, with the new drummer, Jeff.
今輝いているジャズ・ピアニストといえばブラッド・メルドー…と思っているのは、もちろん私だけではなく、コンサートは満員御礼。
会場はバービカン・ホール。金融街のシティに70年代に作られたコンプレックスで、劇場・コンサートホール・映画館をロンドンにしてはめずらしい高いマンションが取り囲むというスタイル。
聴衆は年配もいますが30代くらいも多く、ちょっと‘トレンディ’な感じです。(隣には、格好つけた彼氏に無理に連れてこられたらしい、音楽に興味なさそうな美女が。)
7時半開始のコンサートは、前座なし、休憩なし。大掛かりなショーアップなく、トリオがステージにあがり、さらりと始まりました。
別に何か技を見せるわけじゃないけれど、最初一音からぴしっと決まってる…
最初の曲は新譜『Day is Done』 のタイトル曲。その後、メルドーのオリジナルで、まだタイトルがついてない曲が2曲。その後、また『Day is Done』 からRadio Head のKnives Out、Jimmy HeathのCTAなど…と続きます。
ブラッド・メルドーのソロアルバム発表は95年で、それから10年ちょっとで今は35歳。私が最初に聞いたのは、サキソフォンのジョシュア・レッドマンのレコーディングに参加していた頃で、当時は名前も知らなかった。でも、おそらくこの辺りが転機になって、いつの間にかhouse-hold nameとなっていました。
今回ちょっと楽しみにしていたのは、ドラムスのJeff Ballardで、この新譜からトリオに加わったメンバー。私は、以前ジョシュア・レッドマンのElasticのロンドン公演で‘助っ人’として参加していた彼のドラムを聴いたことがあり、そのシャープなビート、手で叩いたりしてかもし出すいろいろな音色、エネルギッシュなパッションに感動。だから、ブラッド・メルドーのトリオに参加ときいて、楽しみにしてたのです。
今回はアコースティックなウッド・ベースとピアノとのトリオなので、Elasticのときのように豪快にたたきまくるというスタイルではなく、抑えて、でもいろんな凝った音色を出す、細やかな技を見せるという感じ。でもCTAのドラムソロあたりでエネルギー炸裂。
一方、メルドーと長年組んでいるLarry Grenadierの方は、存在感のあるウッドベースで、メルドーとの息もぴったり。紺のシャツにカーキのチノパンという服装、背格好もなんだか似ていて、淡々とした双子のよう。そんなクールなふたりに、エンジ色にオレンジの水玉のシャツを着た天真爛漫なジェフが加わり、なんだかエネルギーをもてあましてアンバランスなような、同時に楽しさも加えてるような。
ブラッド・メルドーのピアノの、独特のスタイルを言葉で説明するとしたら…スタンダードを弾いても、その解釈がすごく新しく、シャープになる。「じゃあ、A、B、そしてAに戻りましょう」という、いわゆるジャズのスタンダードなコンポジションではなく、どこに行くか予測のつかない展開。おそらくクラシック出身と思われる2-hand-playerなので(‘左手でコード、右手でメロディ’的ではなく)、音に広がりがあり、ちょっと予測をはずした音色をいれてくる…
よくビル・エバンスと並び称されるそうです。
終了後に、ジャズ・ピアニストであり教師でもあるDaveに会場でばったり会ったので、彼の評を聞いてみると、「Uncompromising(妥協しない)演奏」とのことでした。

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