The Dream of the Blue Pines

Experience live music and performances in London (and in other places...)

Monday, April 03, 2006

Misia: Drama Box


1 April 2006
Queen Elizabeth Hall, London


Stylish revival of Portuguese Fado – A night of European cinematic experience at the Hotel Drama Box

ポルトガルの音楽といえばファド。といっても私はほとんど馴染みがなく、まあポルトガル版の’演歌’、観光客向けにレストランで唱われているもの…という程度に思っていました。実際ヨーロッパでも多くの人がそう思っていたようですが、2005年あたりからロンドンは‘おしゃれ’なファドに目覚めているようです。
私は2005年11月にポルトガルを旅行し、ちょっとひなびた、でものんびり暖かい国で楽しく過ごし、意外にスタイリッシュなファドのCDを買ってみたりしました。で、今回Misiaの公演告知を見て、せっかくのポルトガルの縁なので行ってみようか、でもさすがに一晩ファドを聴くのはきついかも…と迷ったのですが…その心配は無用でした!

まるで古いフランス映画のようなステージでした。スクリーンにアンティークな雰囲気のホテルの一室が映し出され、ベリー・ショートなヘアスタイルの女性が登場。黒い革のスーツにピンヒール、絹の赤い手袋という出で立ちで、そのコケティッシュさ、フェミニンな色気が、ロンドンではちょっと新鮮。新譜「Drama Box」にちなんで、ポルトガル語訛りがチャーミングな英語で、「ようこそ、ホテル・ドラマ・ボックスへ」。すると男たちがバイオリンやギター、アコーディオンやピアノを奏ではじめる…
スタイリッシュにファドがよみがえるトレンド、といってもマーケティング戦略を駆使して容姿だけが取り柄の歌手が歌うわけではありません。Misia は、15年以上のキャリアをもつ実力派。演劇的な語りも、嘘くさくならなりません。小物を赤い手袋から、黒のネットのスカーフに変えつつも、やたらなショーアップはせず、基本は歌。お母さんはスペイン系のダンサーだったそうですが、「私達ポルトガル人は、フラメンコもタンゴも踊らない。こうして立っているだけ。そして、大西洋の荒波をうけるように、運命がくるのを待つの。」と笑う。
この’運命’が、ファドの詩の大きなテーマなようです。それにセンチメンタルな節回しとくれば、あとは大西洋を日本海に変えるだけで立派な演歌…でも、その詩は、ポルトガルの有名な詩人やノーベル賞受賞作家の作品だったりして、ちょっと哲学的な香りがするようです(言葉がわからず残念)。ノスタルジックなメロディーは、シャンソンやタンゴに通じるものがある…と思っていると、かつてのシャンソン歌手ダリダの曲も。
バンドメンバーの紹介も、それぞれの服装をからかって「かつては船乗りで、波を恋しがってアコーディオンを奏でている」とか、「ハバナとの密輸取引をしている男で、部屋にこもっている」など、ホテルの客という設定で物語風に、ちょっとユーモラスに。この、Misia のコミカルな持ち味が、ファドのメランコリックさを和らげていました。
観客もポルトガル人率が高く、私の両隣も久々にファドの世界に浸っていた様子。2回のアンコールに答えて、最後はアカペラで、ドラマティックな夕べは幕がおりました。

(写真は、Misiaの故郷でもある、ポルトガルの小都市ポルトで。)

さらにくわしくは:www.misia-online.com

1 Comments:

Blogger Bluepines said...

カルメンkiyomulanは、フラメンコも演歌もこなすのですね。私も次回の失恋の際には、大西洋を前にどっぷりファドを歌い上げる予定です。

April 03, 2006  

Post a Comment

<< Home