Sonny Rollins

13 May 2006
Barbican Hall, London
Truly wonderful gig by the ever-energetic, legendary sax player – I felt honored just being able to be there.
「ある時期、ジャズは町でいちばんかっこいい音楽だった。中でもとびっきりかっこいいのはテナー・サックス奏者だった。どうしてテナー・サックス奏者がかっこいいかというと、そこにソニ-・ロリンズとジョン・コルトレーンが存在したからである。」(村上春樹『ポートレイト・イン・ジャズ2』)
50年代を共に駆け抜けたジョン・コルトレーンは1967年に亡くなってしまい、マイルス・デイビスなど同時代の大物が次々この世を去って久しい中、今も現役で「モダン・ジャズ最後の巨人」と呼ばれているのがソニー・ロリンズ。
とはいえ、御体75歳のライブに行くのは、少し不安も。昨年マッコイ・タイナーのコンサートに行った時、素敵ではあるけれど、どこか過去の栄光の抜け殻みたいな感じがあったので。その不安を煽るかのように、ステージにあがるソニー・ロリンズは足を引きずって歩き、齢を感じさせる…
しかし。ひとたびサキソフォンを手にすると、そんな不安はかっ飛んでしまいました!!いやあ、すごいぞ、このおじいさん。何がすごいって、そのピリっと新鮮な音楽性!すかっとする音色!‘この歳でもまだ吹ける’とかいうレベルではなく、またかつての栄光の曲を繰り返して金儲けするような音楽家ではなく、今もどんどん音楽性を追及してる、本当の意味での「現役」なのです!
今回のコンサートは、まだ市販されていないアルバム『Sonny, Please』の曲を中心に、スタンダードなども交えながらの二部構成でした。その新譜の一曲、テンポのよいブルースは、ライブ後に知ったのだけれど「Nishi」という曲で、長年にわたって交流のある日本人のベース奏者西山満氏にちなんだタイトルだそうです。(その名がつくエピソードは、公式サイトで披露されています)
ビートにのって盛り上げるかと思えば、しっとりメロディーを歌い上げ、ソニー・ロリンズのサキソフォンは次々にいろいろな表情をみせますが、圧巻は第二部の「In a Sentimental Mood」というスタンダードの曲で展開した、15分を超えるほどの長いソロ。もう自由自在の即興で、時には茶目っ気たっぷりに日本でいうワラベ歌のようなメロディーを挿入して笑わせ、それでも全体のクールさは失わない…
そしてクライマックスは代表作のひとつ「Don’t Stop the Carnival」。ラテンなリズムも楽しい名曲で、足腰の弱りなど感じさせずに、ステージを縦横無人に吹きまくる!
バンド・メンバーのソロも堪能したけれど、やはりソニー・ロリンズのやりとりが絶妙。Kimati Dinimuluのパーカッションとリズミカルに掛け合うかと思えば、Bob Cranshawの静かなベース・ソロでは、ささやくようなソフトなサックスの音にしびれました。
「ロンドンに来れて嬉しいよ。映画『アルフィー』の撮影できた時(60年代)を思い出すよなあ。50年代にはいろんなミュージシャンとセッションしたものだ…」
長いキャリアの中で、何度か壁にぶつかり引退を宣言したりしつつも、いつも新しい姿で復活してきたソニー・ロリンズ。最近のCDのジャケットの赤いジャケット姿のかっこよさにも驚いたけれど、生で見るそのエネルギーには圧倒されました。何ヶ月も前からチケット完売で、心待ちにしていたロンドンのファンも、最後は文句なしの総立ち。ここに立ち会えてよかった!というライブ。
「また来るよ!」と去っていくソニー・ロリンズ。伝説はまだまだ続くのです。
ソニー・ロリンズ公式サイト
(ライブの動画、新譜の試聴もできます。聴いてね)
http://www.sonnyrollins.com/
西山満氏のサイト
http://www.nishiyamajazz.com/c-board/c-board.cgi?cmd=all;page=2;id=

