Janis Siegel: A Thousand Beautiful Things

21 April 2006
Birdland - NYC, USA
せっかくニューヨークに来たからジャズを…と思ったものの、なかなか響くものがない…唯一実現したのが、ジャニス・シーゲルのソロ・コンサート。
ジャニス・シーゲルは、マンハッタン・トランスファーのメンバー。男女2名ずつの実力派グループで30年以上のキャリアを誇り、ジャニス自身9つのグラミー賞を獲得しています。
このマンハッタン・トランスファーのコンサートに私が初めていったのは、おそらく1980年前後。私は若干16歳でありました。音楽好きの父が見つけて、家族で行ったコンサート。正統派のスタンダードジャズをモダンにアレンジし、ジャズなどほとんど聴いたこともなかった私たち家族も楽しめる楽しいステージ。しばらくは来日のたびに出かける「家族行事」になっていました。
10代の私とニューヨークの接点だったマンハッタン・トランスファーの代表的な曲のひとつが『バードランド』。最近はご無沙汰していたけれど、時を越えて訪れたニューヨークで、ジャニス・シーゲルの歌を老舗ジャズ・クラブの‘バードランド’で聴く…というのもいいかな?
今回は、ジャニス・シーゲルがソロ・リリースしたアルバム「A Thousand Beautiful Things」からの曲が中心の構成です。アニー・レノックス、ビョーク、スティービー・ワンダーなど、ポピュラーなミュージシャンによる曲を、ジャニス・シーゲル風にアレンジ。ジャニスはもう十分‘おばちゃん’だけど、キュートさもあり、かつ貫禄の実力。歌詞を大切に歌い、それに聴衆も笑ったり反応したり…バードランドは老舗ながら、ヨーロッパのクラブに比べるとピカピカに磨かれて、客の反応もストレートというのが、アメリカ的な印象。ちょっとディナーショーという雰囲気なのが私は苦手ですが、ジャニスだから許そう…
と思っていると、ジャニスが真骨頂を見せました。別のふたりの女性歌手がステージに上がった時です。この女性達、ステージの脇の席に座って、すごく大きなリアクションをとっていたので、「アメリカ人って派手だよなあ」と思っていたのですが、そのひとりは初代マンハッタン・トランスファーのメンバー、Laurel Masseでした。もうひとりの大柄な歌手(名前を失念。Ann-Hampton Callerway?)と共に、「3人でガールズ・バンドを組みたいと思ってます!」。
Laurel Masseは、私が聴き始めた頃には既にマンハッタン・トランスファーを抜けていた歌手ですが、この3人ってちょっと普通のアイドル・ガールズ・バンドにはない迫力…いきなりアカペラでスキャットを唄いだします。
ジャニスもそれまでの‘ディナーショー風’にわかりやすく歌い上げるのではなく、他のふたりにあわせてベースリズムを担当したり、即興でソロを加えたり、マンハッタン・トランスファーで鍛え上げたハーモニーの妙を存分に発揮。CDでは聴けない、ライブならではの盛り上がりをみせ、この一曲で‘来てよかった’と思わせました。
コンサートホールではない、こうしたジャズ・クラブのよさは、観客と歌手との距離の近さ。ステージも目の前でintimateな雰囲気。終了後も会場で知り合いと歓談したり、CDを購入した客にサインをするジャニスに、私が「東京で初めて聴いてから、26年になります」と話すと、「ひゃあ、すごいわねえ。また行くわよ、東京、6月に!ロンドン?じゃ5月に会いましょう」。トイレにいけばローレンがいて、一緒に手を洗いながらおしゃべり。
ふらりとニューヨークに来て、こうして自由に話せて…16歳の頃の私には、想像もできなかった気楽さ。大人になるのも悪くないものです。
http://www.janissiegel.com/
http://www.manhattantransfer.org/

0 Comments:
Post a Comment
<< Home