Jazzkaar - Estonian Jazz Festival

April 2005
Tallin, Estonia
今、4月15日から30日まで、エストニアの首都タリンで、ジャズ・フェスティバルjazzkaarが開催されています。私は今年は残念ながら行かれないのですが、昨年は最後3日間で15のコンサートを聞くという強行軍をしたのが、ちょっと自慢です。
エストニアは、バルト3国でも一番ロシアに近いところにあります。私も自分が行く機会を得るまで全く知識がなかったのですが、旧ソ連の国としては順調に経済的に成長している、こじんまりした国です。物価が安いことから、近隣のフィンランドやイギリスからは、男性の集団がビールを飲むために大挙して訪れていますが…
首都タリンは、歴史的建物を残す美しい旧市街と、共産党時代の香りの残る不思議な近代化をしている新市街に分かれています。治安はとてもよくて、スカンジナビアの国の影響も強く、カフェなどは洗練されおしゃれだし、インターネット環境などが非常に進んでいて、e-stoniaと称されています。
私は、ロンドン・ジャズ・フェスティバルで参加したプロジェクトを通じた出会いで、一応’外国人ジャーナリスト’として招かれ、たくさんのコンサートを見せてもらいました。エストニアは、旧ソ連時代ジャズは禁止されていたので、こうして自由に演奏できるのもこの15年ほどのこと。だから、どこか初々しいような喜びにあふれています。国中が全体的にスレていない、素直な感じで、音楽家たちもこんな私にもすぐ携帯の番号を教えてくれ、自由に話ができました。外務省の広報の人が案内してくれちゃうし。みんなでジャズを応援しているのです。会場は、「元共産党の集会が開かれた場所」だそうですが。
その時私が焦点を絞ってきいていたのが女性ボーカル。中でも19歳のソフィア・ルビーナ(Sofia Rubina )という新進歌手が将来有望でした。彼女はまだデビューアルバム完成前ながら、すでにドイツやリトアニアでも賞を受賞していて、いわゆるスタンダードのジャズやスキャットから、ユダヤ系の伝統歌など、かなり持ち味の幅が広いのです。資本主義で飽和状態の国の、商業化にまみれた歌手と違って、歌を基本に地道な勉強をしていて、実力派に育ってほしいなあという感じです。
エストニアでは有名なベテラン歌手ヘドウィック・ハンソン(Hedvig Hanson)のソフトなボーカルは、「ハートにあふれてる」と地元の記者に薦められてCDを聞きました。昨年は妊娠中でコンサートを開いていませんでしたが、カメルーン出身の歌手 Coco Mbassiがそのオリジナル曲をカバーして歌いました。その際、私はまさにヘドウィック・ハンソン本人のすぐ近くの席で、自分の曲が流れてびっくりし、合わせて口ずさむ様子を見ました…
経済大国と大都市ばかりに住んできた私には、そんな風に歌手がすぐ身近にいて、皆で応援しているコミュニティが新鮮でした。もちろん海外アーティストも参加しているのだけれど(2006年はダイアン・リーブスやバッド・プラスなど)、私としてはこれからも地元エストニアのアーティストを応援したいです。
今年のフェスティバルについて
http://www.jazzkaar.ee/2006/kava2006.php?op=jazzengl
http://www.allaboutjazz.com/php/news.php?id=9543


