The Bee - Noda Map and Soho Theatre present
28 June 2006
Soho Theatre, London
written by Hideki Noda and Colin Teevan
based on the story by Yasutaka Tsutsui
Cast: Tony Bell, Kathryn Hunter, Hideki Noda, Glyn Pritchard
ソーホー・シアターというのはロンドンのど真ん中にある小さな劇場で、若手劇作家の作品などを上演したり、実験的な作品が多いことで有名です。6×11メートル、140人収容というスペースで、座席予約はないので、ギリギリで到着した私達は最前列へ。文字通り俳優の目と鼻の先という感じで、「観客参加型舞台だったらどうする?」とちょっと不安に。
さて、今回のThe Bee は、野田秀樹のオリジナル劇の英国公演…というか、野田秀樹が初めて英語で書き下ろした劇です。筒井康隆原作の短編『毟りあい』をベースにアレンジした物語で、登場人物には日本人の名前を残しながらも、全て英語の上演。野田秀樹以外のキャストは英国人です。
ごく普通のサラリーマンMr. Idoが帰宅しようとすると、脱獄犯が妻子を人質に家にたてこもっている!なにやら胡散臭い警察、メディアの攻勢などにあいながら、自らその脱獄犯の妻に説得してくれと交渉に行ったMr.Ido。でもいつの間にか自分が、その脱獄犯の妻子を人質に立てこもることになり…普通の人の人生が突然変化し、本人も変貌していくという物語。
非常に限られたスペースを使っての上映なので、ガラスの衝立を使ったミニマルな舞台で小道具を駆使して場面を展開し、俳優4人も主役以外は、ひとり何役もこなします。だから演技力を問われる芝居ですが、その目玉は主役のMr. Idoを演じるのが女性、名優キャサリン・ハンターで、脱獄犯の妻を演じるのが野田秀樹、というところです。野田秀樹のストリッパーの女も面白いのですが、Mr. Idoの演技がすごくて…実は予備知識なく行った私は、女だと気づかなかったのです!(イスパニア系の小柄な男性かと思ってた)。
そのふたりが演じるから、‘レイプシーン’も意味をもちます。そして、後のふたりの俳優が、刑事や新聞記者から、6歳の子供まで演じます。動きも激しくて、スローモーションで反り返ったり、縦横無尽に走り回ったり、肉体労働な舞台です。
私は日本で野田秀樹の劇を見たことはなかったのですが、なぜかロンドンでは、2003年に日本語の劇を英訳上演した『Red Demon(赤鬼)』に続き2度目です。『Red Demon(赤鬼)』は野田秀樹の英国デビューで、もっと大きな劇場で公演されたのですが、正直いって評判はもうひとつでした。野田秀樹の演技自体はよくても、ストーリーがちょっと子供っぽい印象。英国ではありきたりなテーマだったのと、英語上演だと野田秀樹の持ち味である日本語の言葉遊びの面白さなどが出ないのかな?と思ったものです。
今回の劇は、前半はスピーディーでコミカルに観客をつかみ、途中ちょっとショッキングなレイプや子供を傷つけるシーンがあり、やがてスローにオドロオドロしいようなテンポになっていく…という流れ。うーん、変な話…なんだけれど、演技の集中力は落ちないので、面白い。最初から英語で書かれているから、流れも自然なのかもしれません。
そして小劇場というスペースもよかった。日本では演劇界の大御所である野田秀樹が、原点に戻って奮闘しているような感じがありました。そして自分の足元に、女装した野田秀樹が太腿もあらわに倒れている…なんて、日本ではなかなか体験できないことですね。
(夢の遊民社の大ファンだった友人が聞いたら、悔しがるだろうな。)
こうやって、日本の芸術家も体当たりして、世界を広げているんだ!という感じです。
公演について(日本語)http://www.nodamap.com/02thebee/gaiyou.htm
劇場について(英語) http://www.sohotheatre.com/

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